journal vol.006 JAPANESE TRADITION [WASHI]

2023年10月11日にリニューアルオープンしたmizuiro ind 京都高島屋店。

店内で存在感を放つ和紙装飾は、堀木エリ子氏に依頼したもの。
堀木氏は、手漉き和紙を建築素材として「革新」し、新たな「伝統」を未来に繋ぐ、世界的にも活躍される和紙作家。

拠点である京都・福井を訪ね、モノづくりへの精神性、どんなアプローチで作品を手がけてくれたのか、その想いを訊いた。

 

福井県越前市の岩野平三郎製紙所。
この工房では、伝統技術と堀木氏独自の新たな技術を組み合わせ、革新的な作品が生み出される。
畳三畳分の大きさの道具を用い、職人と堀木氏のスタッフを合わせて10人がかりで漉き上げる。

人間の作為(デザイン)が70%、タイミングのずれや水や繊維の状態による偶然性が30%介在するバランスを 意識しながら、和紙独自の質感を大切に制作するという。

「私は日頃から人生に大事なものは2つだと思っています。1つは「ご縁」、2つ目は「情熱」です。日々色々な人や物事と出会う中、自分の体の中から湧き出てくる情熱がなければ、そのご縁が深まったり広がったりせず、なりゆきで通り過ぎるものだけになってしまいます。人と人が繋がり、それぞれが持つ情熱に触れた時、なんとかお手伝いしたいという気持ちや、逆にお手伝いしてあげようと思ってもらえる気持ちが生じて1つの目標に向かっていけるのだと思います。
今回お話をいただいた際に、ブランドコンセプトの素晴らしさや、お洋服を作られる想いの強さに共感し、その想いをお客様に届けられるような作品を作り上げたいと感じました。」

今回のコンセプト

「作られているお洋服が自由でシンプルであること、気負わず気取らない、そんな印象を受けました。 和紙の素材としての良さを洋服のコンセプト同様に活かしながら、看板的な役割と空間の演出的な役割を果たし、お洋服をより一層自由な状態に戻すことを考えると、その原点は生地を構成する糸ということになります。 細いものから太いもの、撚り方に少し強弱がある糸などが自由になびき、誰が見ても好き嫌いの概念なく、心地よく自然に受け入れられるデザインにしたいと思って制作しました。
私たちは和紙を作るという感覚より、お洋服を引き立てながら、突出しすぎず埋没せずという立ち位置で和紙を介した気持ちの良い空間をどう作るかを考えています。 シンプルで心地よく、少し控えめだけれど自然と印象に残る、そんな空気感やうつろう気配を、来られたお客様に感じていただければいいなと思います。」

 

 

PROFILE 堀木エリ子 ERIKO HORIKI
和紙作家
1962年 京都生まれ
1987年 SHIMUS設立
2000年 株式会社堀木エリ子アンドアソシエイツ設立
「建築空間に生きる和紙造形の創造」をテーマに2700×2100㎜を基本サイズとした オリジナル和紙を制作。
和紙インテリアアートの企画・制作から施工までを手掛ける。

https://www.eriko-horiki.com/

 

 

【SHOP DATA】
mizuiro ind 京都高島屋店
京都府京都市下京区四条通河原町西入真町52
京都高島屋 3F
tel.075-252-7414
OPEN 10:00 – 20:00

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